生産管理の基礎知識 DX・生産管理システム
CRP(能力所要量計画)と負荷の調整
MRPで求めた計画を、人と設備で実行できるか。能力評価から山崩しまで、工程間のつながりを図解します。

今回は負荷計算(CRP)について掘り下げていきます。もしかしたら感覚的に行っている部分もあるかもしれません。この工程を飛ばしてしまうことで、余計な調整やトラブルにもつながりかねません。実現可能な生産計画の立案、発注オーダーの生成を行うために、しっかりと理解しておきましょう。
この記事の目次 全5項目
負荷計算(CRP)とは?

ここまで、基準生産計画をたててMRPを回して、オーダーを生成する流れを見ていきました。その計画を実行できるか確認するのが、CRP(Capacity Requirements Planning、能力所要量計画)です。これについては、システムやパッケージによりますが、担当者の頭の中やExcelで管理している企業もあるかもしれません。
算出されたMRPの結果に対して、作業の負荷や、ヒト、設備のキャパなど、そのままオーダーを出しても対応できるかどうか、実現可能性を確認することを指します。もし、対応できないのが分かった場合は、ボトルネックとなる工程の生産能力に合わせて、生産計画をもう一度修正していくこともありえるわけです。
①能力評価

CRPでは、計画オーダーや実行中の仕事から必要工数を求め、工程・作業区ごとの利用可能な能力と比較します。図では分かりやすく数量で表していますが、品種ごとに工数が違う場合は、時間など共通の単位に揃えます。この場合、製品Aの構成部品を生産する工程Bは能力を超えているので、ボトルネックの工程になってしまっていることが分かります。
工程Bが生産できないとわかった以上、このままでは、生産計画が成立しない、ということになり、なんらかの調整が必要になってくるわけです。
②山崩し調整(平準化)

対応できない工程があった場合、山崩しと呼ばれる調整をしていきます。工程Bの200個というオーダーの山を、前に倒して、平準化することで乗り切ります。図の例では、上位の製品Aの計画も見直し、関連する工程へ変更を反映します。実際には、工程単位の調整や能力の追加で対応する場合もあります。
前工程である、工程Cや工程Dも連動させて調整する必要があるからです。200個の山を100個ずつに生産計画を修正することで、全体としての成立性を確保することができたわけです。各工程を個別に変更すると、前後工程のつながりが崩れることがあります。変更した数量と日付を、関係する計画・資材手配へ反映しましょう。
どの階層を調整するかは、納期、部材の準備状況、確定済みの指示、システムの運用に合わせて判断します。
負荷の調整方法
負荷が能力よりも大きい場合の対処例
- 余力のある工程や設備への振り替え
- 他職場からの応援、必要な技能を持つ人員の配置
- 外注の活用
- 安全・労務上の条件を確認したうえでの稼働時間やシフトの調整
これらでも不足する場合は、仕事を減らしてもらうか、後ろ倒しで平準化してもらうよう得意先へ調整してもらう、などが考えられます。また、長期的に能力不足が予想される場合は、工場の拡張や人や機械の増加を計画し、人的能力・設備能力の拡大を図っていくことが重要です。
負荷が能力よりも小さい場合
- 設備保全や改善、教育の実施
- 他職場への応援
- 内外製の分担の見直し
余力をすべてムダと捉えず、変動への備えや、普段取り組みにくい保全・育成に活かすことも考えましょう。
おわりに
今回は、負荷計算について解説をしていきました。システムで行っている人も、Excelや電卓でされている人も感覚的に行われている人も、理解を深めておいて損はありません。ぜひ、最適な生産計画生産・調達オーダーの生成をできる人材を目指していきましょう。

