生産管理の基礎知識 資格・勉強・実務スキル
生産管理に必要な力は?
調整する力、数字で考える力、現場とシステムの知識。生産管理の仕事で磨きたい能力を、経験をもとに整理します。

生産管理では、異なる専門や経験を持つ人が働いています。出身分野や資格だけでなく、現場を知り、関係者と協力しながら学び続ける姿勢が大切です。
これまで出会った生産管理の担当者の中で、仕事で結果を残し、現場から信頼されていた人には、どんな共通点があったのか。能力・知識・スキルに分けて整理します。
この記事の目次 全4項目
能力面
コミュニケーション能力
まずはコミュニケーション能力です。生産管理の仕事は非常に様々の人と会話をして、調整・折衝することが多いです。社内では、製造現場や調達部、営業部、設計、経理、人事など、他部署と連携しながら問題解決を行う場面も数多く発生します。もちろん社内だけではなく、得意先や仕入れ先、外注先や各種外部の業者と調整をします。
例えば...得意先や営業から、受注情報を引き出したり、納期調整をしたり、製造現場へ生産の依頼をしたり、状況確認をしたり、仕入先へ、対応可否や納入の催促をしたり、基本的には、何かをお願いするケースが非常に多くあります。しっかりと関係性を築いて、仕事を円滑に行うためにはコミュニケーション能力は必要不可欠であることは、イメージできると思います。

論理的思考力
続いては、論理的思考力です。いわゆる、ロジカルシンキングですね。モノづくりをしている工場の中で、生産管理は、モノを作ることも、検査することも、運んだりするようなこともあまりしないポジションです。そんな生産管理に求められることは、やはり、データや情報、根拠や納期などを整理して、関係者に伝えて、動いてもらうことです。
そのときに、感情的ではなく、論理的に物事を判断して、考えられる最適な対応を自らはもちろん、関係者に取ってもらう必要があるわけです。製品の生産量、在庫量、人員、生産ラインのキャパ、コスト、こういったものと向き合る力は必ず必要になってきます。目の前の問題や課題に対して、情報を整理して、何をすべきか、どう動くべきか、判断できる人が生産管理として活躍できます。

マネジメント能力
続いては、マネジメント能力。マネジメント能力とは何かを、一言で言うと、「管理する力」と言えます。生産管理が管理しているものは、製品や部品はもちろん、生産現場のヒト、納期、物流、情報、などなど、工場におけるあらゆるものを生産管理の手の内でコントロールしていく必要があるわけです。
自分の担当外であっても、生産への影響に気づいたら、担当部署へつなぐことが大切です。すべてを一人で抱え込む必要はありません。自らのマネジメント範囲を広げ、工場のヒト・モノ・カネ・情報を適切にマネジメントしていく力が必要なんです。そして、大事なことは、自分だけではなく、関係者をしっかり巻き込んで、工場全体で問題を解決する方向に導く人が第一線で活躍しているわけです。

トラブルへの対応力
続いては、トラブルへの対応力。生産管理をしていると、非常に多くのトラブルに見舞われます。不良が発生した、設備が壊れた、人が休んだ、台風や地震が来た、あるはずの在庫が見当たらない...なんていうトラブルは日常茶飯事です。「現場は生き物だ」と表現されるくらいたくさんの問題が同時多発的に発生します。
トラブルが起きたら、まず安全と影響範囲を確かめます。そのうえで、誰に何を確認し、納期や計画をどう調整するかを判断します。急ぐときほど、確認した事実と推測を分けて伝えることが大切です。

粘り強さと、周囲に相談する力
調整が一度でまとまらなくても、条件を整理し直して解決策を探す粘り強さは役立ちます。急な注文変更や設備トラブルなど、自分だけでは解決できない問題も起きます。相手の事情を聞きながら、できることと難しいことを具体的にしていきましょう。ただし、無理を我慢し続けることが仕事ではありません。困ったときに早く相談し、上司や関係部署と役割を分担できることも重要な力です。
知識面
製品や生産現場に対する幅広い知識
続いては、知識面について見ていきましょう。生産管理はものづくりの全体を見据える仕事であるため、幅広い知識が求められます。中には、生産管理に関する知識さえあれば、製造や品質の知識なんていらない、と思う人もいるかもしれませんが...より良い仕事をしていくためには、製造工程はもちろん、品質面、調達面、物流面など、幅広く理解しておく必要があります。
なぜならば、工場を統制する生産管理に求められていることは、目の前の小さな問題を解決することではなくて、先々も見据えて、全体最適な改善を繰り返していくことだからです。専門を持ちつつ、隣の工程や他部署の事情にも関心を向けてみましょう。判断の選択肢が広がります。

会計関連の知識
続いては会計の知識です。現場に近い仕事をしている人ほど、モノについて詳しくなっていきますが、カネについてあまり意識できていない人も多いです。在庫管理や棚卸はもちろん、原価管理や生産性の管理など、あらゆる面で会計知識が必要とされてきます。カネ勘定は経理畑の人間に任せておけばいい、のではなくて...
会社にとってよりよい選択は何か、儲かるためには現場として何をすべきか、という視点を持つためにも、最低限の会計知識は持っていた方が無難です。簿記の入門書などで、在庫・原価・利益のつながりを学ぶと、日々の数字が理解しやすくなります。必要な範囲から少しずつ身につけていきましょう。

IT/システムの知識
続いては、IT・システムに関する知識です。生産管理は業務の大半はシステム操作になっている会社も多いことでしょう。生産管理システムや出荷システムの操作を覚えるだけではなくて、搭載されている機能や仕組み、システム同士のつながりやデータベースの構造など、できるだけ深く理解しておくべきなんです。
なぜならば、仕事のパターンや商物流の変化によって、今つかっている機能だけでは対応できなくなってしまった、ということがよくあるからです。例えば、今まではA社→自社と言う物流だけだったのに対して、A社からB社を経由して自社に来る、といった物流上の変化が起こったときに...
どういう機能を使って、どういう指示を出せば、会計上の処理も問題なく、現場のオペレーションもスムーズに行えるのか、という視点で、考える力が必要なんです。新しい運用に挑戦したり、既存の仕事を変えたりするときには、システム上でどの情報が必要かも確認しましょう。また、DXやIoT、AIなど、流行りのモノを使いたくなる気持ちも分かりますが、まずは、今使っているシステムの機能くらい、頭に入れておかなければ、業務の効率化・最適化を推し進めることはできないので、注意しましょう。
スキル面
英語のスキル
まずは英語のスキルです。製造業の多くの会社には海外拠点があったり、輸出入を行っていることでしょう。そのため、英語のスキルが必要とされるケースが多いです。必要な英語力は担当業務によって違います。会議、メール、書類の読み取りなど、使う場面から考えてみましょう。
- 会議でローカルと会話ができる
- なんとなく言っていることが分かる
- メールでやり取りができる
- 翻訳アプリが無いと全く分からない
会社に資格や点数の要件がある場合は、その基準を確認します。共通の目安を決めつけるより、自分の仕事で困っている場面を具体的にすることが学習の出発点です。しかし、TOEICだけやっていればよいかと言われると実はそうでもなくて、海外出張や赴任、リモート会議など、仕事で英語を使うときは、リスニングとスピーキングが必要な場面が非常に多く、読み書きよりも、つたない発音でも単語をつないで、伝えきる力が必要だったりします。
一流の生産管理を目指すのであれば、英語とも向き合っていきましょう。
Excelやパワポなどのツール操作
続いてはExcelやPowerPointなどのoffice系の操作です。Excelでの集計や検索、ピボットテーブル、グラフを使えると、実務の整理に役立ちます。マクロは必要に応じて学ぶもので、すべての担当者に必須というわけではありません。受注情報を整理したり、生産計画をグラフで可視化したり、在庫のデータを見て分析をしたり、様々な場面でExcelを使います。
本を読んで学ぶ、というよりは、仕事をしていく中で、こういう計算をしたい、とか、こういうグラフをつくりたい、もっと楽にできないか、という視点をもって、その都度調べながら実践していくようにすると、自然と習得できます。こういったことに疑問をもって、効率化できている人と、苦手意識をもったまま非効率なやり方を続けている人では、生産性に大きな差がついてきます。
ショートカットマスターを目指すのではなく、あなたの手を使うような作業を、できるだけ効率化して、頭を使う仕事の時間をできるだけ増やしていくことを心がけましょう。

資料作成スキル
そして最後が、資料の作成スキルです。主にPowerPointを使うことが多いかもしれませんが、生産調整会議や上司への報告など、多くの場面で資料をつくることがあるでしょう。資料は、何を伝え、相手にどう判断してほしいのかを先に決めると、必要な情報を絞れます。言いたいことが分かりづらく、見にくくて、汚い資料よりも...
簡潔で分かりやすくて、綺麗で、根拠もあって、情報が整理されている資料のほうが結果的に仕事がスムーズに進んだりします。もちろん、資料を作ること自体は目的ではなく手段ですが、相手から承認をもらうのか、対応してもらうのか、調整してもらうのか、目的に応じて必要十分なクオリティの資料を短時間で作成できるようになりましょう。
分かりやすい社内資料から、見出しの付け方や情報の並べ方を学ぶのも有効です。共有範囲や社内ルールを守りながら、自分の業務に合わせて取り入れてみてください。

まとめ
今回は生産管理に必要なスキルや能力を紹介していきました。これらが無いと生産管理ができない、というわけではなく、求められる場面が多いので磨いておいた方が活躍の幅が広がるでしょう、という内容です。ぜひ、自己研鑽を続けていきましょう。


