生産管理の基礎知識 DX・生産管理システム

MRPで発生する異常と対処

先行生産、短納期受注、工程間のずれ。MRPの結果が現場で成立しないとき、どこを確かめるかを整理します。

公開 改訂
MRPで発生する異常と対処の参考画像

今回はMRPの過程における、異常な状態と必要な対処方法についていくつか紹介していきます。

この記事の目次 全4項目

目的の無い過剰な先行生産

目的の無い過剰な先行生産の図解
目的の無い過剰な先行生産図を押すと拡大できます

まずは、過剰な先行生産です。これは、先にある、内示や受注に対して早く作りすぎてしまった場合です。早く作れば安心と思うかもしれませんが、その分の在庫スペースが必要になってしまったり、その間に、もしキャンセルや設計変更、打ち切りなどが発生した場合、その製品はムダになってしまいます。

先行生産が必要な場合もありますが、目的と数量、保管場所、設計変更のリスクを確認しましょう。余力を埋めるためだけの生産になっていないかが見直しのポイントです。

短納期での受注

短納期での受注の図解
短納期での受注図を押すと拡大できます

そして次が、短納期での受注が来てしまって、リードタイムの確保ができない状況です。生産するためには10日必要なのにもかかわらず、5日後に納入してほしいというオーダーを受けたような状況です。当然、このまま各工程に指示を出してしまっていては、成り立たないだけではなく、納期に間に合わないことは想像ができるかと思います。

まず、どの工程や部材が間に合わないかを確かめ、分納、納期変更、代替の手配などを関係者と検討します。安全や必要な検査を省いて日数だけを短くしてはいけません。また、今後に備えての対応としては、在庫を確保しておくか、手配のリードタイムを短くできないか検討していくことも重要です。

工程間の生産指示ギャップ

工程間の生産指示ギャップの図解
工程間の生産指示ギャップ図を押すと拡大できます

そして、MRPによる、各工程の管理をする上で、一番の難しさとも言える問題が、工程間の様々なギャップです。例えば、後工程の必要日までに前工程が完了しない、必要数量を前工程の供給予定で賄えない、といったずれです。工程間の数量が違うだけでは異常とは限らず、構成使用数やロット、在庫も確認します。

当然、計画通りに生産できなかったり、余計な在庫が発生することにもつながります。これは、生産ロットやリードタイムの設定をする工程マスタが間違っていたり、帳簿上、システム上の在庫数が間違っているなどの原因が考えられます。マスタと在庫の精度を保ち、変更した計画を前後工程へ反映することが重要です。結果の数字だけでなく、その計算条件まで確認しましょう。

おわりに

今回は、MRPについて解説をしていきました。多くの製造現場で使用されているものの、適切に扱っていくことは意外と難しく、苦労している人も多いのではないでしょうか。ぜひ、しっかりと理解をして、MRPに振り回されることなく、上手に使える人材になっていきましょう。