生産管理の基礎知識 生産管理の基礎
生産管理の目的
品質・コスト・納期を整えることは、顧客への安定供給と会社の利益にどうつながるのでしょうか。生産管理の目的を考えます。

工場は毎日同じものを同じ量だけ、ひたすら生産していれば儲かるわけではありません。当然、注文の量や種類も変わりますし、生産する量・タイミング・部品や材料の仕入れ・人のコントロールなど、あらゆる変数をコントロールしながら効率的にモノづくりができるような体制が必要です。
生産管理の目的を一言で言うと「安定的・効率的な生産/供給体制を構築すること」と言えます。安定した供給体制が、顧客の信頼や会社の利益にどうつながるのかを見ていきます。
この記事の目次 全6項目
目的は売上・利益を確保し、 永続性を維持すること
生産管理の目的の一つは、売上と利益を 永続的に上げ続けることです。こうしたことが一過性のことではなく、永続性を持って行われ続けるためにも、生産管理体制をきちんと構築することが重要なのです。その上で、生産管理が目指すことはお客様を満足・安心させながら、工場と工場を運営する企業の売上・利益を確保し、企業の永続性を維持することと言えます。
生産管理は品質、コスト、 納期の各目標を達成する
永続的に売上と利益を上げるためには、お客様を満足させることが必要です。求められたものを、求められるレベルで、求められる納期で対応していきます。そのためには、次の点を確認します。
- 製品の品質
- コスト
- 納期
について、お客様と自社が満足のいく目標・計画を設定し、その通りにモノづくりをしなければなりません。また、品質を維持するためには、決められたルール、いわゆる作業標準と手順に則り、安定的な製造を行っていきます。ルール、 作業標準と手順を守ることは、品質だけではなく、計画どおりのコストでの製造を可能にします。
さらには、計画どおりにモノが調達でき、計画どおりにモノが生産されることで、納期を守ることもできます。そういったものをそろえながら、工場を統率していくことで、1つの工場の中で数名~数万人が同時に働いていながら...数万点の部品や材料が動いていても、計画通り、ルール通りにモノづくりが行われ、ムリ・ムダ・ムラが排除され、品質、コスト、納期の目標が達成されるわけです。
品質、コスト、納期はそれぞれQ:Quality、C:Cost、D:Deliveryの頭文字をとって、 QCD管理と呼ばれたりします。生産活動の管理レベルを上げ、計画どおりにモノづくりを行い、QCD目標 を達成し続けることが、「売上・利益の永続的な維持」という目的に貢献するのです。
時代の変化、ただ大量に作る時代は終わった
同じものを大量につくる場合でも、需要に合った数量と時期を見極めることが必要です。「何が、いつ、どれだけ必要なのか」を見ずに生産すると、売れ残りや販売機会の損失につながります。作ったは良いものの、あるいは、買ったはいいものの、一生売れない「死蔵品」を生み出すリスクもはらんでいます。
特に、これだけ多様化され、モノがあふれているといわれる、現代の成熟した市場では、顧客のニーズにあった製品を、リーズナブルな価格でタイムリーに届ける重要性は特に問われてきています。
グローバルにおける生産管理体制の変化
調達先や生産拠点、販売先が海外に広がると、国内だけでは完結しない生産管理が必要になります。輸送時間や休日、商習慣の違いも計画に織り込む必要があります。拠点ごとの役割は、技術、人材、コスト、顧客との距離などによって変わります。生産国だけで製品の品質や価格帯を決めつけず、各市場で求められる品質・価格・供給条件を確かめることが大切です。
販売側の情報と各拠点の生産能力を共有し、調達から納入までをつなげて考えましょう。工場単独の効率がよくても、輸送や在庫を含めた全体で無理があれば、安定供給にはつながりません。
生産管理が企業競争力を決める
製品の機能やデザインだけでなく、品質の安定、価格、供給の確実さも、顧客に選ばれるための条件です。適正な価格を維持するには、その価格で利益を確保できる生産体制が必要です。同時に、欠品や売れ残りを抑え、求められた時期に供給する力も欠かせません。また、工場内での内的トラブルはもちろんですが、台風や地震などの自然災害、コロナによるサプライチェーンの混乱など、多くの外的イレギュラーも起きえます。
そういった状況下においても、混乱やムダを最小限に押さえる統率力、効率的な生産体制、在庫をコントロールした安定した供給体制を構築することこそ、生産管理に求められている使命なのです。生産管理で計画的に準備された工場や人員、原材料・ 部品がコストを決め、結果的に企業収益を決めます。
生産管理で指示・実行統制された生産結果が、製品在庫/部材の数量を適正かつタイムリーにコントロールします。生産管理こそ、ものづくりを行なう企業の競争力を決めているといえる でしょう。
まとめ
生産管理の目的は、「安定的・効率的な生産/供給体制を構築すること」ですが、その役割は企業の競争力にとっては必要不可欠なものと言えます。顧客を満足させながら企業収益を確保し、企業の永続性を維持することに欠かせない存在が生産管理なのです。

