MRP計算ロジック

今回はMRPの流れや
計算ロジックについて掘り下げていきます。

どのような情報をインプットするのか
マスタがどのように機能しているのか
オーダーを生成して実行系に渡すまでの流れロジックを解説していきます。

オーダー生成までの流れ

まずは需要予測や内示情報などをもとに、
基準となる生産計画を立てることから始まります。
これによって、製品ベースでいつ、どれだけ必要なのかを明確にしていきます。

そして、生産計画とBOMを組み合わせて
掛け算をすることで、
使用する部品や材料ベースで
どのくらい必要なのかが算出されます。

それから、在庫情報や生産ロット、
発注ロット、各工程のリードタイムなどを反映することで、
本当に必要な分だけ手配できるような
オーダーを生成する流れになります。

こういったように
仕入れ先や製造部門に出すためのオーダーを
生成するまでの仕組み

MRPの本質的な役割なんです。

それでは、それぞれの計算過程について、
具体的な数字も使いながら観ていきましょう。

①基準生産計画

基準生産計画は、
完成品ベースの生産計画のことを指します。
内示情報をもとに、ただ立てれば良いのではなくて、
生産能力や数量の段付きなど、
さまざまな要素を考慮して、
平準化したり、あえて寄せて計画したり、
担当者の思いや考えも入れながら立案していくことが重要です。

MRPにおいても、
すべての基準となるものになるので、
非常に重要な役割を担っています。

②総所要量の算出

生産計画が立案されると、
BOMを通して構成品へと展開されます。

BOMには、製品1台つくるために、
どの部品が、いくつ必要なのかが登録されていますので、
生産計画×構成使用数が、
そのまま、総所要量として算出されます。

今回の例で言うと、
製品Aに対して、生産計画を立案していき、
子部品Bについて所要量を計算するためには、
生産計画数×2個と言う計算で算出されます。

同様に、
その下にある孫部品Dに関しては、
生産計画数×4個という計算になる点については注意しておきましょう。

③正味所要量の算出

生産計画×BOMで全体として
使用する数量を出しましたが、
それがそのまま必要な数量になるわけではありません。

在庫情報を考慮する必要があるからです。

すでに在庫があれば、
その分は手配がいらない、というわけです

今回、総所要量を計算した部品Bについて、
すでに在庫が50個ある場合を考えていきましょう。

ついたちに20個使う予定になっていますが、
これは在庫があるので、手配は不要です。

ですが、
2日に200個使用する計画に対しては、
残りの在庫が30個しかないので、
これから手配すべき数量は170個となるわけです。

このように、
必要な分だけを手配するために、
在庫情報を反映して、再計算するのです。

ここまでで、手配が必要な数量が明確になりました。

④ロットまとめ

部品や材料を手配するために、
重要になってくるのがロットと言う概念です。

大量にモノを作る工場や仕入れ先にとって、
一度にまとめてつくることで効率化したり、
コストを抑えるために、
まとめて購入、梱包、輸送することは多々あります。

さまざまな事情で、
生産する単位や調達する単位が固定されていることがあるので、
これから手配するオーダーについても、
手配ロットの倍数で計算していくわけです。

今回は、
ロット数が100で決まっている場合で考えていきます。
2日に170個必要だった部品Bですが、
手配ロットによって、オーダー数は200と定まります。

必要な数よりも多く手配することになりますが、
次回の手配時に、
その在庫を使用することで、
手配する数や在庫数を調整していくわけです。

ここまでで、
手配するためのオーダー数量が確定しました。

⑤LT反映

オーダー数量が決まりましたので、
次は、いつ必要なのか、リードタイムの概念を織り込んでいきます。

今回、製品Aを生産するため
に部品Bを手配する予定になっていますが、
製品Aを作るのと同時に
部品が入ってくるのでは、間に合いません。

組付け作業にかかる日数や
受発注や輸送など、
生産や手配において必要な手番、
いわゆるリードタイムを確保した計画にする必要があるわけです。

今回は組付け作業が1日かかるという前提で見ていきます。

2日に200個必要だというオーダを
1日前に倒す形で手配をするのです。

こうすることで、
製品Aを生産するための日数を確保して部品Bを手配することができます。

こういった計算を
すべての部品や材料に対して計算することで
ようやく、仕入れ先や製造部門へ
オーダーを出すことができるようになるわけです。

おわりに

今回はMRPの計算ロジックについて解説をしていきました。

普段使用している人は、体感的に理解できているかと思います。

BOMの重要性や手配のための工程マスタ、
発注マスタの重要性も理解し、
その過程を正しく説明できるようにしておきましょう。

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