BOM(部品表)を知る

今回は、生産管理をしていれば、必ずと言ってよいほど目にすることがある、
BOM、いわゆる部品表について解説をしていきます。

BOM(英:Bill Of Materials)とは、ビルオブマテリアルズの略で、
1台の製品を構成する材料や部品の一覧表のことです。

日本語に直訳すると「材料の請求書」であり、組立型製造業では「部品表」と呼ばれ、
プロセス型製造業では「配合表」や「レシピ」、と呼ばれることがあります。

実はこのBOM、歴史を振り返ると
1970年代初め、アメリカの生産・在庫管理協会(APICS)が、
MRPいわゆる所要量計算による部材の手配方法を考案する際に、誕生したことが起源とされています。

いまでも、この所要量計算のためにBOMを設定して、
部品や材料を手配している会社も多いことでしょう。

ですが、このBOMは非常に奥が深く、
さまざまな用途や種類があることを知っていますか?

今回は部品表について、その性質や種類について、より深く学んでいきましょう。

BOM(部品表)とは?

BOMには、部品の名前、型番、メーカー、数量、規格など、
各部品の詳細情報が載せられています。
1つの製品をつくるために、何が、いくつ必要なのかわかるように構成されています。

もちろん、部材を手配する生産管理の業務において、
非常に重要な存在であることは言うまでもありませんが、
BOMは様々な部門の業務において、重要な役割を担っているんです。

設計や購買、原価管理、会計部門などにおいても、BOMの情報に基づいて業務が行われています。
後ほど紹介しますが、各業務を円滑に行うために、その目的に合ったBOMが存在します。

生産管理の業務だけではなく、BOMによって、
会社全体の業務プロセスががどのようになっているのか知っておく必要があるわけです。

BOM(部品表)の用途


BOMは、その目的や用途によって、さまざまなシステム上で使用されています。
生産管理システムはもちろん、図面管理や、発注、在庫管理、会計システム上に
それぞれ存在していたり、データ連携されている
ことが多いです。

もちろん、同じ製品に含まれる部品や材料は基本的には同じですが、
管理方法や更新頻度などの問題から、それぞれシステム上に別々に存在していたり、
一部の部署ではExcelで管理している、といったケースもあります

企業において、共通情報のインフラとも言えるBOMが
各部署によって別々に管理している状況は課題として認識している会社も多く、
統合化されたBOMを構築する動きも、最近は注目されています。

製造業におけるBOM(部品表)の重要性

当たりまえのように使っているBOMですが、
もし、BOMが無かったらどれだけ管理が大変か考えたことはありますか?
その役割やメリットを今一度確認していきましょう。

①部品不足や手配漏れを防止できる

1つ目のメリットは、部品不足や手配漏れを防止できることです。

当然ですが、膨大な点数の部品や材料を人の判断だけで発注手配することは不可能です。

生産管理システム上でBOMを構築することで、
常に最新の情報に保ち、部品不足や手配漏れなどを防止できます。

また、製造中に追加で部品が必要となった場合も、
システム上で正確な個数が把握できるため、発注ミスが起こりにくいでしょう。

反対に、BOMの作成途中でミスが発生してしまった場合には、
そのまま誤発注や欠品につながるため、注意が必要です。

②生産状況を把握できる

また、生産状況を把握することができるのも、BOMのおかげです。

生産状況の遅れ進みの確認はもちろん、部品の必要量とそのコストを把握することで
製造コストの見積もりや分析、そして最適化につなげていくことができます。

各工程と部品の関係性もBOMから判断できるため、
生産トラブルが起こった場合でも迅速に対応できます。

このように被害を最小限に抑えられることもBOMを活用する利点と言えます。

③複数の部門で連携しやすくなる

そして次は共有情報としての役割です。

BOMをシステム化して共通の画面を使用することで、
複数の部門での情報共有ができるようになります。

紙やExcelで作成したBOMの場合、紙の印刷やファイルの送信が必要なため、
リアルタイムでのスムーズな情報共有が難しく、認識違いによる製造工程のミスが発生しかねません。

生産管理システムや製品管理システム上で管理、共有されていれば、
あらゆる情報を一元管理できるため、スムーズに情報を伝達・共有可能です。

④業務標準化に役立つ

BOMは業務の標準化にも役立っています。

設計部品表であっても製造部品表であっても、
過去の製品や他の担当者がどのように管理していたのかを知るために、BOMが機能します。

BOMの情報の蓄積・共有・管理をすることで、誰がやっても同じように業務を行うことが可能です。

BOMが無ければ、部品や材料の確認、工程の調査など、
毎回毎回膨大な時間がかかってしまうことはイメージできると思います。
BOMは様々な面で役立つ存在でいてくれるわけです。

おわりに

今回はBOMの用途や目的について解説していきました。
何気なく使っているBOMについても、しっかりとした知識をもって活用していきましょう。

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「こんなシステムがあったらいいなぁ」などがあればコメント欄で教えてください。

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