BOM(部品表)の 4つの型
BOMには4つの型があることを知っていますか?
それが
・サマリ型
・ストラクチャ型
・ハイブリッド型
・パラメトリック型
の4つです。
業界や扱う製品の性質に合わせて、使い分けていくことが望ましいです。
順に見ていきましょう。
サマリー型
まずはサマリ型です。
サマリ型とは、一つ一つの製品ごとに並列に必要な部品を記入していく方法です。
部品の追加や仕様変更があった場合の対応も容易である点が特徴です。
「どの部品が」「どれくらい必要なのか」が一目でわかるレイアウトなので、
設計部門や調達部門で活用されます。
サマリ型の主なメリットは、部品の追加や仕様変更に柔軟に対応できることです。
そのため、仕様変更が多い試作品や個別注文品、
原動機や工作機械・精密機器の製造を行っている業種に適しているといえます。
反対に工程の流れやリードタイムの管理が難しいので、
工程ごとに管理するような業態には不向きと言えます。
ストラクチャー型
続いて、部品の組み立て順序や親子関係を階層ごとに記入していく方法のことを、
「ストラクチャー型」と言います。
ストラクチャー型を用いることで、
製品が完成するまでの流れをわかりやすくすることが可能になります。
必要な部品を階層構造でまとめるため、
「どの工程でどんな部品が必要になるのか」を容易に把握できるわけです。
主なメリットは、
工程ごとのリードタイムや工数、原価計算、などがしやすいことです。
組立型の多くの製造現場ではこのストラクチャ型が用いられています。
デメリットとしては、BOMの構成が複雑になりがちで、
と作成するためには、工程の知識や経験が求められることです。
ハイブリッド型/マトリクス型
続いてが、ハイブリッド型、またはマトリクス型です。
名前のとおりサマリ型とストラクチャ型を組み合わせた図表を指します。
受注を受けてから生産するBTOなど特注品の製造に適している管理方法です。
中間までの過程はストラクチャ型を用いて標準仕様で製造し、
最終段階ではサマリ型を用いて顧客のニーズや仕様に応じたカスタマイズや仕上げが可能です。
標準品や規格品の「繰返生産」と、
個別品や特注品の「個別受注生産」との両方に対応していることから、
利便性の高い方法と言えるでしょう。
管理方法の異なる設計部品表と製造部品表を一元化することも可能ですが、
システム上の管理が複雑になりがちなのがデメリットとも言えます。
パラメトリック型
そして最後が、パラメトリック型です。
基本となる製品の色違い・サイズ違い、オプションが異なるなど、バリエーションが豊富な製品の管理に適しています。
製品仕様に基づきあらゆるパターンを考慮したBOMを自動生成する仕組みです。
複数のバリエーションの製品を製造する場合、
通常は、バリエーションを考慮したそれぞれのBOMを登録・管理しなければなりません。
しかし、この管理方法であれば、
顧客が求める複数の仕様に応じたバリエーションごとのBOMを自動生成できます。
そして結果として、仕様ごとのBOMを1つひとつ作成・精査する手間を省け、
全体的な工程の時間短縮が可能です。
おわりに
今回はBOMの型を解説しました。
今使っているシステムに合わせているだけ、という人も多いかと思いますが、様々な種類のBOMがあることを知っておけば、抱えている課題を解決できる可能性も高まります。
視野を広くもって改善できる人材を目指していきましょう。
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