生産管理に必要な力は?

生産管理という仕事は、
文系理系を問わず、女性比率も比較的高く、
未経験でもバリバリ活躍できる職種だと言われています。

特定の資格や経験が無かったとしても、
第一線で活躍している人は大勢います。

しかしながら、業務範囲も非常に広く、
多種多様なトラブルも発生する製造現場を、
適切にコントロールするためにはさまざまな力が求められます。

そこで今回は、
生産管理をする上で必要とされる能力、知識、スキルについて解説をしていきたいと思います。

今まで多くの生産管理を見てきた中で、
この人は優秀だなぁと感じた人、
仕事で結果を残してきた人
現場からの信頼を培ってきた人たちが、
どういった共通点をもっているのか整理してお伝えしていきます。

一流の生産管理を目指すあなたにとって、
必ず参考になる部分もあるはずです。

ぜひ最後まで読んでみてください。

能力面

◆コミュニケーション能力

まずはコミュニケーション能力です。

生産管理の仕事は非常に様々の人と会話をして、調整・折衝することが多いです。

社内では、製造現場や調達部、営業部、設計、経理、人事など、
他部署と連携しながら問題解決を行う場面も数多く発生します。

もちろん社内だけではなく、
得意先や仕入れ先、外注先や各種外部の業者と調整をします。

例えば...

得意先や営業から、受注情報を引き出したり、納期調整をしたり、
製造現場へ生産の依頼をしたり、状況確認をしたり、
仕入先へ、対応可否や納入の催促をしたり、

基本的には、何かをお願いするケースが非常に多くあります。

しっかりと関係性を築いて、
仕事を円滑に行うためにはコミュニケーション能力は
必要不可欠であることは、イメージできると思います。

◆論理的思考力

続いては、論理的思考力です。いわゆる、ロジカルシンキングですね。

モノづくりをしている工場の中で、

生産管理は、
モノを作ることも、
検査することも、運んだりするようなことも
あまりしないポジションです。

そんな生産管理に求められることは、
やはり、データや情報、根拠や納期などを整理して、
関係者に伝えて、動いてもらうこと
です。

そのときに、
感情的ではなく、論理的に物事を判断して、
考えられる最適な対応を自らはもちろん、
関係者に取ってもらう必要があるわけです。

製品の生産量、在庫量、人員、生産ラインのキャパ、コスト、
こういったものと向き合る力は必ず必要になってきます。

目の前の問題や課題に対して、
情報を整理して、何をすべきか、どう動くべきか、
判断できる人
が生産管理として活躍できます。

◆マネジメント能力

続いては、マネジメント能力。

マネジメント能力とは何かを、一言で言うと、「管理する力」と言えます。

生産管理が管理しているものは、
製品や部品はもちろん、
生産現場のヒト、納期、物流、情報、などなど、
工場におけるあらゆるものを生産管理の手の内で
コントロールしていく必要がある
わけです。

工場において何か問題が発生した場合にも
「それは自分の担当じゃない」と知らん顔している人は生産管理失格です。

自らのマネジメント範囲を広げ、
工場のヒト・モノ・カネ・情報を適切にマネジメントしていく力が必要なんです。

そして、大事なことは、自分だけではなく、
関係者をしっかり巻き込んで、
工場全体で問題を解決する方向に導く人が第一線で活躍しているわけです。

◆トラブルへの対応力

続いては、トラブルへの対応力。
生産管理をしていると、非常に多くのトラブルに見舞われます。

不良が発生した、設備が壊れた、
人が休んだ、台風や地震が来た、
あるはずの在庫が見当たらない...

なんていうトラブルは日常茶飯事です。

現場は生き物だ」と表現されるくらい
たくさんの問題が同時多発的に発生します。

そんな中でも、得意先の納期は絶対です。

問題を対処しながら、納期を守るためには何をしなければいけないのか、
じっくり考える暇もありません。

瞬時に、自分がやるべきこと、
誰に何をやってもらえば問題を解消して、
得意先に迷惑をかけずに済むのか、こういったことを考え、
行動する力が必要になってきます。

◆忍耐力

そして最後が、忍耐力です。

生産管理をしていると、
得意先からの無茶な注文のせいで、
製造現場や仕入れ先に頭を下げて対応してもらったり
...

全然動かない他部署のせいで、自分が走り回る羽目になったり...

たとえ、自分はしっかりやっていたとしても、
全く関係のないトラブルを対処しないといけなかったり

そんな経験をしている人が多いでしょう。

綺麗に、スマートに仕事をしたかったはずなのに、
工場で汗まみれになっている人もいるかもしれません。

どんな仕事においても、
苦労やストレスはあるかもしれませんが、
生産管理と言う仕事は特に、忍耐力が必要な仕事だと、
経験している人は皆思っていることでしょう。

 知識面

◆製品や生産現場に対する幅広い知識

続いては、知識面について見ていきましょう。

生産管理はものづくりの全体を見据える仕事であるため、
幅広い知識が求められます。

中には、生産管理に関する知識さえあれば、製造や品質の知識なんていらない、
と思う人もいるかもしれませんが...

より良い仕事をしていくためには、
製造工程はもちろん、品質面、調達面、物流面など、幅広く理解しておく必要があります。

なぜならば、工場を統制する生産管理に求められていることは、
目の前の小さな問題を解決することではなくて、
先々も見据えて、全体最適な改善を繰り返していくことだからです。

生産管理の知識だけで良いという狭い視野でしか仕事ができない人は、
独りよがりな仕事の仕方になってしまっている可能性があるので、
1点に特化した知識ではなくて、幅広い知識を習得するように心がけていきましょう。

◆会計関連の知識

続いては会計の知識です。

現場に近い仕事をしている人ほど、
モノについて詳しくなっていきますが、
カネについてあまり意識できていない人も多いです。

在庫管理や棚卸はもちろん、
原価管理や生産性の管理など、
あらゆる面で会計知識が必要とされてきます。

カネ勘定は経理畑の人間に任せておけばいい、
のではなくて...

会社にとってよりよい選択は何か、
儲かるためには現場として何をすべきか、

という視点を持つためにも、最低限の会計知識は持っていた方が無難です。

簿記3級くらいの知識であれば、本一冊読むくらいで習得できます。

このあたりの知識を持っている人材は重宝されることが多いですので、
ぜひ毛嫌いせずに学んでいきましょう。

◆IT/システムの知識

続いては、IT・システムに関する知識です。
生産管理は業務の大半はシステム操作になっている会社も多いことでしょう。

生産管理システムや出荷システムの操作を覚えるだけではなくて、
搭載されている機能や仕組み、
システム同士のつながりやデータベースの構造など、
できるだけ深く理解しておくべきなんです。

なぜならば、仕事のパターンや商物流の変化によって、
今つかっている機能だけでは対応できなくなってしまった、ということがよくあるからです。

例えば、今まではA社→自社と言う物流だけだったのに対して、
A社からB社を経由して自社に来る、
といった物流上の変化が起こったときに...

どういう機能を使って、
どういう指示を出せば、
会計上の処理も問題なく、
現場のオペレーションもスムーズに行えるのか、

という視点で、考える力が必要なんです。

新たなことに調整しようしたり、
既存の仕事のやり方を変えようとしたときには、
熱意だけではなくて、
システム領域の知識をしっかり頭にいれておきましょう。

また、DXやIoT、AIなど、
流行りのモノを使いたくなる気持ちも分かりますが、
まずは、今使っているシステムの機能くらい、
頭に入れておかなければ、
業務の効率化・最適化を推し進めることはできない
ので、注意しましょう。

スキル面

◆英語のスキル

まずは英語のスキルです。

製造業の多くの会社には海外拠点があったり、
輸出入を行っていることでしょう。
そのため、英語のスキルが必要とされるケースが多いです。

ですが、現場に近ければ近いほど英語を苦手としている人が多い傾向にあります。
英語のスキルといっても、様々なレベルがあります。

 ・会議でローカルと会話ができる
 ・なんとなく言っていることが分かる
 ・メールでやり取りができる
 ・翻訳アプリが無いと全く分からない

あなたはどのレベルでしょうか。
会社によってはTOEICの点数が入社や昇格の要件に
なっているところもあるかもしれません。

その場合は600~700点くらいを目安に勉強をすると良いでしょう。

しかし、TOEICだけやっていればよいかと言われると実はそうでもなくて、
海外出張や赴任、リモート会議など、仕事で英語を使うときは、
リスニングとスピーキングが必要な場面が非常に多く、
読み書きよりも、つたない発音でも単語をつないで、伝えきる力が必要だったりします。

一流の生産管理を目指すのであれば、英語とも向き合っていきましょう。

◆Excelやパワポなどのツール操作

続いてはExcelやPowerPointなどのoffice系の操作です。

社内の生産管理システムがあったとしても、
Excelを扱う場面は非常にたくさんあります。

ある程度、関数を扱えることはもちろんですが、
ピボットテーブルや各種グラフ、
多少のマクロなどが操作できることは必要条件となるでしょう。

受注情報を整理したり、生産計画をグラフで可視化したり、
在庫のデータを見て分析をしたり、様々な場面でExcelを使います。

本を読んで学ぶ、というよりは、
仕事をしていく中で、
こういう計算をしたい、とか、
こういうグラフをつくりたい、
もっと楽にできないか、という視点をもって、
その都度調べながら実践していくようにすると、自然と習得できます。

こういったことに疑問をもって、効率化できている人と、
苦手意識をもったまま非効率なやり方を続けている人では、
生産性に大きな差がついてきます。

ショートカットマスターを目指すのではなく、
あなたの手を使うような作業を、できるだけ効率化して、
頭を使う仕事の時間をできるだけ増やしていくことを心がけましょう。

◆資料作成スキル

そして最後が、資料の作成スキルです。
主にPowerPointを使うことが多いかもしれませんが、
生産調整会議や上司への報告など、
多くの場面で資料をつくることがあるでしょう。

ムダな資料作りが多い、
というのが製造業、特に大企業の特徴ですが、
その原因は、きちんと伝わる資料を作れる人が少ない
というところにもあります。

言いたいことが分かりづらく、
見にくくて、汚い資料よりも...

簡潔で分かりやすくて、綺麗で、
根拠もあって、情報が整理されている資料のほうが
結果的に仕事がスムーズに進んだりします。

もちろん、資料を作ること自体は目的ではなく手段ですが、
相手から承認をもらうのか、
対応してもらうのか、
調整してもらうのか、
目的に応じて必要十分なクオリティの資料を
短時間で作成できるように
なりましょう。

資料作りは、
上手な人の資料を手元に残しておいて、
マネしていくのが一番早い
です。

ぜひ、社内にいる分かりやすい資料は手元に残して、TTPしていきましょう。

まとめ

今回は生産管理に必要なスキルや能力を紹介していきました。

これらが無いと生産管理ができない、
というわけではなく、求められる場面が多いので
磨いておいた方が活躍の幅が広がるでしょう、という内容です。

ぜひ、自己研鑽を続けていきましょう。


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