製品企画とは?

製品企画

今回は製品企画とは何か
製品が企画されてから実際にモノづくりがスタートするまでの流れや
考え方について学んでいきましょう。

同じものを永遠と作り続けることはなく、
時代の流れや顧客のニーズの変化に伴い、
常に新しい製品が立ち上がり、循環しています。

普段工場の中で仕事をしている人も、
一つの製品が立ち上がるまでには、
非常に多くの人が時間と知恵と労力をかけていることを理解して、
会社の仕事の流れを俯瞰的に把握しておくのは必ず役に立ちます。

新製品が立ち上がるまで、
業界や企業によっても異なりますが、
大きな流れは下記の通りになります。

<新製品が立ち上がるまでの流れ>
企画▶要件定義/機能設計▶販売計画/原価見積/原価企画▶
内外製検討▶生産技術・設備設計・工程設計▶
機能試作・量産試作▶初期流動→量産開始

実際に工場でモノが動き出すのは早くても試作段階ですが、
それまでの過程も非常に重要です。

前工程の流れや考え方についても知っておきましょう。

新製品開発について

◆新製品開発の重要性

製造業であっても、
現行品だけを永久に作り(売り)続けることは不可能です。

顧客のニーズの変化や技術革新により、
製品の寿命が存在するからです。

企業の規模に関わらず、まだ現行品が売れている間に、
そこで稼いだ資金を新製品開発につぎこみ、
収益を上げる製品を市場に出し続ける必要があります。

ですが、
莫大な資金と長い時間を費やす新製品開発は、
きちんと統制して進めていくことができなければ、会社の成長は遠ざかってしまいます。

企画・開発案件をむやみに増やして、
限りある資本と時間を分散してしまい、
製品化にこぎつけなかったり、
ニーズにあわない製品を作ったりしていては、
ビジネスチャンスを失う
ことになり、企業は弱ってしまいます。

資金も時間も無尽蔵にあるわけではないので、
新製品開発はきちんと管理して行な わなければならないのです。

そこで、新製品開発の流れを俯瞰的に理解した上で、
生産管理との関連について触れていきます。

生産管理と新製品開発のプロセスは、
密接な連携が必要不可欠であることが理解できるはずです。

◆製品企画の目的

製品企画の目的とは何でしょうか。

それは…

①顧客満足の確保
②企業利益の確保

顧客満足の確保をしようとすると、
「より安く、よりよいものを」提供したいと考えます。

 しかしながら、
機能・品質・価格はトレードオフの関係にあります。

例えば、価格を抑えようとすると品質や機能を下げざるを得なくなります。

また、機能を上げようとするとコストが上がり、
顧客に提供する際の価格が高くなってしまうのは、

あなたもイメージできると思います。

このような関係にあるので、
これらのバランスをとりつつ高い顧客満足度を得るための調整が必要となります。

企業利益の確保のためには、
利益を確保できる価格設定にしなければなりません。

利益を確保しなければ、 企業は継続的な発展ができないからです。

しかし、「製造原価に利益を上乗せして売価を決定する」という考え方では、

市場に受け入れられない価格になってしまいがちです。

そのため、「売価は市場が決める」という考え方を常に持って、
製品企画をしていくことが重要なわけです。

製品企画の仕事とは?

また、製品企画というと、
通常は企画部門や営業部門が担当するものと思われがちです。

しかし、いかに高品質の製品を短期間で、
かつ低コストで顧客に提供しいくのか、という部分は企業の競争力と直結します。

企画段階や設計段階から製造に関わるエンジニアや現場の人間が参画し、
デザイン・設計図面をもとに図面の確認作業や、
製品化が可能かどうかの判断をすることが重要です。

なぜなら、製造段階以降で起こるであろう問題をあらかじめ洗い出し、
スムースに生産につなげることで、大きなロスや後戻りを防ぐことができる
からです。

当然ながら、
技術者が携わる製品企画は、単に思いつきではありません。

スタートは「顧客の要望・ニーズ」です。

これに対して、社内のリソース、
技術力、経験を活かしながら、
納期に間に合うように組み立てたりする進捗管理や、
足りない技術をどうカバーするか、
といったことを会社全体で進めていくことが重要です。

また、生産ラインの設計や作業性についても計画をたてて、
該当部署とのやり取りを通して製品化まで進めていく、という、
会社としての真価が問われる業務とも言えるでしょう。

製品の分類とマーケティングについて

◆製品分類

世の中にある製品を大きく分類すると4種類あると言われています。
名称を覚える必要はありませんが、分類の仕方や考え方について知っておくと良いでしょう。

①生産財
・生産者が製品やサービスを生産するために必要なもの。 例:原材料、部品、設備など。
②消費財
・日常生活を送るために使用、消費される製品。 主に個人や家庭生活で使われる。

③汎用品
・使用者を限定しない製品。
・ほとんどの消費財と一部の生産財が該当する。
④特注品 (受注生産品)
・特定の使用者のために生産する製品。 一部の消費財と多くの生産財が該当する。

◆マーケティング戦略


マーケティングとは、
製品やサービスが売れる仕組みをつくっていくことです。

ここではあまり詳しくは触れませんが、主な目的は
「製品を知ってもらう」
「市場に対して適切な価格設定をする」
「販売方法を確立していく」

といったことが含まれます。

マーケティング手法には、 ①プロダクトアウト型②マーケットイン型の2つがあります。

①プロダクトアウト型
技術力や会社の強みを活かして製品を企画・開発していく考え方です。
この方法では製造者の都合によって仕様や価格が設定されるため、
市場から受け入れられにくいケースが発生したり、
価格設定に苦労する場合があります。

②マーケットイン型の価格
これは市場や顧客のニーズによって企画開発を進める考え方です。

相手が求めているモノは何か?
どのくらいの価格であれば消費者が購入してくれるか?

という視点で企画や売価を決定します。
多くの場面ではマーケットイン型の考え方が採用されているかと思われます。

まとめ

今回は製品企画の概要について解説をしていきました。

もしかすると現場で生産管理をやっている人には、
あまりピンとこない部分もあったかもしれません。

会社の上流業務をきちんと理解しておくと、
自分の取り組んでいる仕事が、
会社にとってどのような役割を果たしているのかを考えるきっかけになります。

新製品管理や製品企画については、より具体的に解説していきますので、
他の記事もぜひ読んでみてください。

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