生産管理の目的

目的

工場は毎日同じものを同じ量だけ、
ひたすら生産していれば儲かるわけではありません。

当然、注文の量や種類も変わりますし、
生産する量・タイミング・部品や材料の仕入れ・人のコントロールなど、
あらゆる変数をコントロールしながら効率的にモノづくりができるような体制が必要です。

生産管理の目的を一言で言うと
「安定的・効率的な生産/供給体制を構築すること」と言えます。

なぜ、それが必要で、生産管理が企業にとって、
あるいは国にとってどれだけ重要な存在なのかを掘り下げていきます。

目的は売上・利益を確保し、 永続性を維持すること

生産管理の目的の一つは、
売上と利益を 永続的に上げ続けることです。

こうしたことが一過性のことではなく、
永続性を持って行われ続けるためにも、
生産管理体制をきちんと構築することが重要なのです。

その上で、生産管理が目指すことは
お客様を満足・安心させながら、
工場と工場を運営する企業の売上・利益を確保し、
企業の永続性を維持すること
と言えます。

生産管理は品質、コスト、 納期の各目標を達成する

永続的に売上と利益を上げるためには、
お客様を満足させることが必要です。

求められたものを、
求められるレベルで、
求められる納期で対応していきます。

そのためには、
・製品の品質
・コスト
・納期

について、お客様と自社が満足のいく目標・計画を設定し、
その通りにモノづくりをしなければなりません。

また、品質を維持するためには、
決められたルール、いわゆる作業標準と手順に則り、
安定的な製造を行っていきます。

ルール、 作業標準と手順を守ることは、
品質だけではなく、計画どおりのコストでの製造を可能にします。

さらには、計画どおりにモノが調達でき、
計画どおりにモノが生産されることで、納期を守ることもできます。

そういったものをそろえながら、
工場を統率していくことで、

1つの工場の中で数名~数万人が同時に働いていながら...

数万点の部品や材料が動いていても、
計画通り、ルール通りにモノづくりが行われ、
ムリ・ムダ・ムラが排除され、品質、コスト、納期の目標が達成されるわけです。

品質、コスト、納期はそれぞれ
Q:QualityC:CostD:Deliveryの頭文字をとって、 QCD管理と呼ばれたりします。

生産活動の管理レベルを上げ、
計画どおりにモノづくりを行い、
QCD目標 を達成し続けることが、

「売上・利益の永続的な維持」という目的に貢献するのです。

時代の変化、ただ大量に作る時代は終わった

同じものをただ大量に作れば良いのであれば、
生産管理の役目はそれほど重要視されません。

しかし、モノを作る前には必ず、需要・ニーズ・注文が存在します。

「何が、いつ、どれだけ必要なのか」を見ずに生産すれば、
「売れ残り」 や 「売り逃がし」(販売できるチャンスを逃がすこと) の
リスクを背負うような状況に追い込まれます。

作ったは良いものの、あるいは、
買ったはいいものの、
一生売れない「死蔵品」を生み出すリスクもはらんでいます。

特に、これだけ多様化され、
モノがあふれているといわれる、
現代の成熟した市場では、顧客のニーズにあった製品を、
リーズナブルな価格でタイムリーに届ける重要性は特に問われてきています。

グローバルにおける生産管理体制の変化

近年の傾向として...

日本では高度な製品は国内生産しつつ、
安価な製品は新興国で生産する体制が築かれました。

それに合わせて、当然、生産管理の体制も、グローバル化が進んでいます。

新興国であったとしても、
情報の多様化や進化にともなって、
豊富な情報をもっ て製品を選別し始めています。

良いものだから買われる、という状況でもないわけです。

新興国に適した品質と低価格が要求され、
市場に適した製品を、低コストでタイムリーに供給しなければならなくなってきています。

そのため、
人件費の抑制や需要の大きさにあぐらをかいているようでは、
グローバルでの競争には勝つことができません。

新興国内での販売体制と生産管理体制の構築・連携が急務になっている

ということを知っておいてください。

生産管理が企業競争力を決める

先述の通り、
ただ単に、機能やデザインも安定したものを作れば売れる時代は終わりました

品質が維持でき、
効率的な生産体制を通してはじめて実現します。

適正な価格を実現するには、
適正なコストで生産しなければなりません。

また、 欠品や売れ残りを起こさないよう、
タイムリーに供給する能力も必要です。

品質が安定せず、
コストがばらつき、
納期を守ることができなければ、市場から淘汰されるでしょう。

また、
工場内での内的トラブルはもちろんですが、
台風や地震などの自然災害、
コロナによるサプライチェーンの混乱など、
多くの外的イレギュラーも起きえます。

そういった状況下においても、
混乱やムダを最小限に押さえる統率力、
効率的な生産体制、
在庫をコントロールした安定した供給体制を構築すること
こそ、
生産管理に求められている使命なのです。

生産管理で計画的に準備された工場や
人員、原材料・ 部品がコストを決め、
結果的に企業収益を決めます。

生産管理で指示・実行統制された生産結果が、
製品在庫/部材の数量を適正かつタイムリーにコントロールします。

生産管理こそ、ものづくりを行なう企業の競争力を決めているといえる でしょう。

まとめ

生産管理の目的は、
「安定的・効率的な生産/供給体制を構築すること」ですが、
その役割は企業の競争力にとっては必要不可欠なものと言えます。

顧客を満足させながら企業収益を確保し、
企業の永続性を維持することに欠かせない存在が生産管理なのです。

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