輸出入業務の流れ

グローバル化が進んできたこの時代で、
サプライチェーン上に海外拠点が含まれるケースは増えてきています。

輸出入の業務において、
現場ではどんな実務を行い、
それらの業務にはどの程度の英語力や専門知識が必要なのでしょうか。

貿易実務者ならぜひ知っておきたい
「輸出・輸入業務」の流れやポイントを押さえていきましょう。

①取引契約相手との交渉

輸入者と対面、もしくはメールなどで希望条件をすり合わせます。

価格や納期といった一般的なところから、
決済条件、国際商業会議所が制定したルール
「インコタームズ」はどれを採択するかといった内容を取り決めます。

②売買契約の締結

輸入者と合意した交渉内容を基に、契約書を作成します。

ケースバイケースで輸入者が作成する場合もあります。

なお、書類については、後ほどご紹介しますが、
輸出者と輸入者はお互いの希望条件を伝え合い、
交渉を経て合意を得たら売買契約を交わします。

③信用状の確認 ※決済条件が信用状決済の場合

輸出者の取引する銀行から、輸入者へ送られてきます。

後述する船積書類と記載内容が異なると、
銀行が買い取ってくれない=代金が支払われないので、
入念な確認が必要になります。

輸出者は「売買契約と一致しているか」、
要求されている書類は何か」など、
しっかりと確認し、
銀行が支払を確約する文言はあるかなどのチェックを行います。

④船積の準備

商品の輸出予定日が決まったら、
輸出者はフォワーダーに船積みや輸出通関を依頼し、
輸入者にも予定日を知らせます。

同時に、インボイスや船積依頼書など、
船積みや通関に必要な書類を作成してフォワーダーに渡します。

⑤通関手続きor業者の手配

貿易取引において、貨物を輸出する際、
輸出者はフォワーダー(Forwarder)に通関手続きや船積手続きを依頼します。

その際、貨物の内容がわかるインボイス(Invoice/送り状)と
パッキングリストとともに、
「シッピングインストラクション」を提出することが求められます。

◆主な書類

・Shipping Instruction(S/I、船積み依頼書)
・通関用Invoice
・通関用Packing List
・輸出貿易管理令等の法令に基づく輸出許可書、
 承認証、検査証などが必要な場合はそれらの書類

◆シッピングインストラクションの主要項目

① 作成日
② 荷送人(Shipper)
③ B/LやWaybillに記載する荷受人(Consignee)
④着荷通知先(Notify Party)
⑤ インボイス番号
⑥ 船会社/航空会社名
⑦ 船腹予約番号
⑧ 船名/航空便名
⑨ 船積/出航予定日
⑩ 荷受地
⑪ 船積港
⑫ 荷揚げ港
⑬ 荷渡し地
⑭ 荷受地への搬入日、運送手段、運送会社
⑮ 運賃支払い *Prepaidは輸出者が支払い、Collectは輸入者が支払う
⑯ 商品明細 *品目名、数量、重量、荷印、梱包状態(荷姿)など
⑰その他の特記事項
⑱ 荷送人(Shipper)のサイン

◆Invoice(商業送り状)の主要項目

インボイスとは、どのような品物をいくらで販売するのかを記載する書類です。
海貨業者は、このインボイスを基に輸出通関手続きを行い、
輸出申告金額から算出された関税などを納付します。

必要な情報は以下の通りです。

・Consignee(荷受人)の名称・住所・連絡先
・Shipper(荷送人)の名称・住所・連絡先
・Invoice No.
・Invoice Date(インボイス作成日)
・出港予定日
・積地
・仕向地
・本船名およびVoyage No.
・支払条件(T/T Remittance、L/C at sightなど)
・商品名
・数量
・価格(それぞれの商品単価・合計金額)
・インコタームズ
・原産地
・荷印
・(L/C決済の場合)L/C No.     など

◆Packing List(梱包明細書)

パッキングリストとは、
貨物をどのように梱包して輸送するのか、
どれくらいの重さがあるのかを示す書類
です。

具体的に品物の個数や荷姿(CartonやPalletなど)、
荷印、梱包後の重量や容積についても詳しく記載します。

CartonやPalletが複数ある場合は、それぞれにナンバーが割り振られます。

複数のCartonやPalletに複数種類の貨物を梱包する際は、
どのCarton No./Pallet No.にどの貨物が入っているのかを明記します。

⑥船荷証券の入手

輸出許可が下りたら、
船会社は商品(貨物)の船積みを行い、
船積み完了後、B/L(船荷証券)を発行します。

輸出者は、必要な費用を支払ってそのB/Lを受け取ります。

⑦買取手続

輸出者は銀行へ、
信用状に記載通りの書類(船荷証券や船積書類)と
為替手形を揃えたうえで、買取を依頼します。

銀行が信用状と書類群の内容一致を確認し次第、
輸出者へ商品代金が支払われます。

最後に輸入者への輸出商品の到着をもって、
輸出業務は完了となります。

もちろんこの内容が輸出の全てというわけではありませんが、
貨物の流れ、やり取りされる書類の流れといった大きなフローを把握することが大切です。

まとめ

今回は輸出入の業務における大まかな流れを解説していきました。
専門的な領域で、複雑な手続きもあるので、別途解説記事を投稿していきます。

ふいに海外との取引が始まることも大いにあり得ます。
今のうちから押さえておくようにしましょう。

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