負荷計算(CRP)を知る

今回は負荷計算(CRP)について
掘り下げていきます。

もしかしたら
感覚的に行っている部分もあるかもしれません。

この工程を飛ばしてしまうことで、
余計な調整やトラブルにもつながりかねません。

実現可能な生産計画の立案、
発注オーダーの生成を行うために、
しっかりと理解しておきましょう。

負荷計算(CRP)とは?

ここまで、基準生産計画をたててMRPを回して、
オーダーを生成する流れを見ていきました。

MRP計算ロジック

今回はMRPの流れや計算ロジックについて掘り下げていきます。 どのような情報をインプットするのか、マスタがどのように機能しているのか、オーダーを生成して実行系に渡…

しかし、その間で、
もう一つ手間を加える必要があるんです。
それが、CRP能力の負荷計算を行う工程です。

これについては、システムやパッケージによりますが、
担当者の頭の中や
Excelで管理している企業もあるかもしれません。

算出されたMRPの結果に対して、
作業の負荷や、ヒト、設備のキャパなど、
そのままオーダーを出しても対応できるかどうか、
実現可能性を確認すること
を指します。

もし、対応できないのが分かった場合は、
ボトルネックとなる工程の
生産能力に合わせて、
生産計画をもう一度修正していくこともありえるわけです。

①能力評価

CRPでまず行うことは、能力評価です。
生産能力と必要数量を比較して判断をしていきます。
MRPの結果に対して、
能力線を越えているかどうか
を見て判断していきます。

この場合、
製品Aの構成部品を生産する工程Bは
能力を超えているので、
ボトルネックの工程になってしまっていることが分かります。

工程Bが生産できないとわかった以上、
このままでは、生産計画が成立しない、
ということになり、なんらかの調整が必要になってくるわけです。

②山崩し調整(平準化)

対応できない工程があった場合、
山崩しと呼ばれる調整をしていきます。

工程Bの200個というオーダーの山を、
前に倒して、平準化することで乗り切ります。

その場合、工程Bのオーダを直接調整するのではなく、
上位の製品Aの生産計画を修正することが重要です。

前工程である、
工程Cや工程Dも連動させて調整する必要があるからです。

200個の山を100個ずつに
生産計画を修正することで、
全体としての成立性を確保することができたわけです。

こうのように、MRPを使用しているような場合、
各工程に対してそれぞれのオーダーを調整すると、
破綻していることに気付きづらかったり、
管理が大変になってしまいます。

特別な事情がなければ、
上位の製品における生産計画を調整していくことが望ましいです。

負荷の調整方法

負荷が能力よりも大きい場合の対処例


・残業や休日出勤、3組2交代勤務の活用
・他職場からの応援か、他職場へ仕事を回す
・臨時工(パートタイマー)の活用
・外注工場の利用

これらでも不足する場合は、
仕事を減らしてもらうか、
後ろ倒しで平準化してもらうよう得意先へ調整してもらう、
などが考えられます。

また、長期的に能力不足が予想される場合は、
工場の拡張や人や機械の増加を計画し、
人的能力・設備能力の拡大を図っていくことが重要です。

◆負荷が能力よりも小さい場合


・間接作業(雑用)の実施
・他職場へ応援
・外注から内作への転換

生産人員が余っている(遊んでいる)状態は
人件費のムダにつながるため、
万一、仕事量が少ない場合でも、
可能な限り有用な時間の使い方を考えていきましょう。

おわりに

今回は、負荷計算について解説をしていきました。

システムで行っている人も、
Excelや電卓でされている人も
感覚的に行われている人も、
理解を深めておいて損はありません。

ぜひ、最適な生産計画
生産・調達オーダーの生成をできる人材を
目指していきましょう。

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