生産管理とは?

生産管理

モノをつくっている会社、いわゆる製造業には、
必ず生産管理という仕事が存在します。

何も考えず、計画もなくモノづくりをしている会社はありません。
そこには、ヒト・モノ・カネ・情報があり、
これらをいかにコントロールして、効率よく、ムダ無く、
タイミングよく生産するべきかを考えることが必要です。

これらのことを管理・統制している工場の司令塔とも言える”生産管理”が、
一体どのような仕事をしているのか、
何を使命としているのかを掘り下げていきます。

・これから生産管理に就こうとしている人
・現在、生産管理をしている人
・生産管理に興味がある人


これら誰が読んでも新たな学びや気付きがあるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。

工場の中で行われていること

生産管理とは、生産計画に沿って製品を製造する上で、
品質(Quality)コスト(Cost)納期(Delivery)
すべてを適切に管理することです。

このQCDを最適化し、
製品の計画から出荷までの全工程を効率的に進めることが求められます。

生産管理が正しく行われていれば、
トラブルが発生しにくく、現場の製造活動がスムーズに進みます。
しかし、多くの企業では生産工程や業務プロセスが複雑化しており、
生産管理が困難な状況におかれていることでしょう。

そして生産管理が不十分だと、
製品の品質低下や納期遅れにつながるため、
できるだけ早急に改善しなければなりません。


さて、はじめて工場の中を覗く人は、
ベルトコンベアの上を流れる製品のスピ ードや、
作業着に身を固めてきびきびと動く作業者の姿に見とれてしまうか もしれません。

そのスピード感や手際の良さに驚くと同時に、
誰が、どのようにコントロールしているんだろうか...と感じるかもしれません。

例えば、製鉄所であれば大きなクレーンや巨大な炉の熱と煙、
半導体工場であれば、清浄なクリーンルームと自動化された設備、
ビール工場 であれば大きな醸造釜と泡立つ気泡に圧倒されるでしょう。

精密機器工場では作業の精密さに舌を巻き、
今では、多くの工場でAIロボットが蹂躙しているので、そのスピードや自動化に驚くでしょう。

ひと口に 「工場」といっても、
作っているもの次第で、設備や人の動きがいろいろと違ってきます。

当然かもしれませんが、
工場の中で行なわれていることは、「モノを作る」ということです。

部品や原材料を投入し、設備や人手を使って、製品に仕上げていきます。
工場とは、そのままでは人の役に立たないもの付加価値の低いものを、

生産という行為(プロセス)によって、
人の役に立つもの(付加価値の高いもの)へ変換する場所と見ることもできます。

すべてコントロールされた工場内

工場では、たくさんのヒトが働いています。

たくさんの設備があり、さま ざまな原材料・部品たち(モノ)が管理されています。

納入業者や出荷先もたくさんあります。

多くの関係する要素を上手に動かし、
関係者と上手に調整しないと「ものづくり」は混乱してしまいます。

これらのヒト・モノ・カネ・情報がすべてコントロールされていなければ、
安定的にお客様へ納入することも、
効率的な生産をすることも、
会社の利益を最大化することもできません。

工場では出荷の納期が決められ、
生産の順序が計算され、納入が指示さ れます。

使うべき設備が選択され、作業者に指示が飛びます。
部品が運ばれ、加工・組立てが行なわれ、
完成品が検査されます。

この、一糸乱れぬ「もの づくり」の流れを作り上げるには、相当な努力が必要です。

情報を受け取り、ヒトに指示を出し、モノを動かし、利益(カネ)を生み出す。
それこそが生産管理に委ねられている使命です。

行きあたりばったりでは、いつ必要なものができあがるのかわかりませ ん。
混乱を極め、 コストが上がり、品質が低下するかもしれません。

これではまともな「ものづくり」ができません。

生産管理の3つの役割

「モノづくり」では、計画、指示・実行統制、進捗と実績の把握といった全体管理の仕組みが必要です。

「計画」は、作業の順序や納期を決定し、設備や材料の選定を行います。

「指示・実行統制」では、計画に基づいた指示を作業者に伝え、作業を適切に進めます。

進捗と実績の把握では、生産の進行状況や品質を確認し、必要に応じて対策を講じます。


この3つこそが、きちんとものを作るために必要な生産管理の3本柱といえます。



これらの管理のサイクルを回すことで、
品質の向上やコストの削減、納期の遵守など、
効果的なモノづくりが実現します。

そうしたことが起きないように、
工場という巨大な「変換」装置を上手 に動かすしくみが 「生産管理」なのです。

生産管理は現場をコントロールし、
効率的かつスムーズな生産業務を実現する司令塔のような存在です。

適切な生産管理によって現場の従業員は効率的に作業へ取り組め、
その結果、組織の利益最大化につながります。

生産管理業務の内容とは?

生産管理の業務は本当に多岐にわたりますが、
比重の大きなものをいくつかご紹介します。

受注管理(需要予測)
生産計画を行う上で、まず取り掛かるのが顧客からの受注情報を管理し、
「いつまでに」「なにを」「いくつ」必要なのかを理解する受注管理です。

受注元の顧客(得意先)や、
製品情報、数量、納期といった生産計画を行う上で必要な情報を整理することで、
生産計画につなげていきます。

受注や内示などの情報や納品予定から
製造予定数やスケジュールを組み立てる必要があるため、
業務の入り口として情報整理し、
社内での共有をしていく必要があります。

主に営業や事務所で管理する「受注情報」が、
製造部門と上手く共有できていない場合、
生産計画に大きく影響してしまいます。

生産計画
生産計画では、
「どの製品を、いつまでに、いくつ製造する」
といった生産計画とスケジュール管理を行います。

ここでは、ただ計画を立てれば良いのではなく、
受注管理で得た「製品、数量、納期」といった情報に加え、
仕掛状況を把握し、様々な要素を加味しながら最適で安定的なスケジュール調整が求められます。

企業によっては、受注生産や見込み生産と生産方法が異なりますが、
工場内の負荷や資材などの状況を的確に把握し、
納期遅れの防止や、生産性の向上などを実現するためにも、重要な管理とも言えます。

購買、調達
次に、製品を加工する際に必要なのが、
部品や材料などの調達作業です。

主に、購買や調達部門にて発注手配を行うことが多いですが、
生産計画や納期を考慮し、次工程に影響が出ないよう最適なタイミングで手配を行う必要があります。

当然ですが、発注は早すぎても遅すぎても、
多すぎても少なすぎてもいけません。

購買計画だけでなく、
在庫管理も同様に適切な在庫数を保有することで、
製造現場へ原材料を供給し、製造工程を止めることなく手配することが重要です。

工程管理
工程管理では、
生産計画で立てたスケジュールを順守できるよう、
加工工程ごとに作業手順を指示し、進捗や工程納期を把握します。

多くの製造現場では、作業指示書や"かんばん"などで管理し、
加工工程の流れの確認や実績登録などに使用している企業も多いのではないでしょうか。

また、ただ手順を確認するだけでなく、
各工程の進捗や設備の負荷状況などをリアルタイムで管理することで、
最終納期を順守できるよう管理することが必要です。

品質管理
そして「品質管理」も重要な業務の一部となります。

製品の品質は、顧客の信頼にもつながるため、
各工程が適切な手順で進んでいるかや、
最終的な検査工程で十分な確認が必要です。

検査工程だけでなく、不良品への対応や報告も含め、
不良情報を共有し分析と改善活動を繰り返すことで品質を保つ環境を構築します。

原価管理
製品の製造に必要な材料費や加工費などのコストを把握し、
比較・分析を行う管理です。

見積時の各原価項目ごとの予算と実績原価との比較や、
過去実績からの分析、利益改善のための対策立案などを行う上で重要な情報源となります。

企業を利益体質にするためにも、日々一つ一つの案件ごとに原価管理を行い、
予実対比を意識したデータ分析も必要です。

まとめ

生産管理がどのような役目を担い、果たすべき使命についてはご理解いただけたと思います。
業務は多岐にわたり、工場を適切にコントロールしていくためにはなくてはならない存在です。
工場を統制し、会社経営に直結するほどの影響力を持っているのです。

コチラのコラム記事は
ほんの一部分に過ぎません!

『生産管理プロフェッショナルコミュニティ』に入会すれば...

✅すべての教材テキストを見放題!
✅疑問・質問・悩みをいつでも相談し放題!
生産管理の精鋭と交流でき、成長し放題!

Follow me!

投稿者プロフィール

生産管理プロフェッショナルコミュニティ
生産管理プロフェッショナルコミュニティ
~すべての生産管理の歴史とナレッジがココに~
生産管理の生産管理による生産管理のためのコミュニティ
  • X