工場の4つの流れを押さえろ

私が考える、
生産管理の一番の魅力は
「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つをコントロールできることにあると考えています。
有象無象の部品や製品がうごめいている工場を
適切にコントロールしていくためには、
何を抑えておくべきかを知っておくことが重要です。
工場の中のシステム化や自動化が進んだとしても、
生産管理が統率しているものは無機質なものではなく、
多くの流れや感情を動かしている、ということを解説していきます。
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製造業における基本の流れ 「モノの流れ」
製造業を捉えるときに注目すべき流れが3つあります。
3つの流れのうち基本となるのは、
モノをつくる会社・工場ですから当然 「モノの流れ」 です。
工場では原材料や部品を購入します。
原材料や部品は製造ラインに投入され、
加工・組立てを経て、製品になります。
製造が自社工場だけで完結しない場合は、
外注工場や外注加工先にモノが移され、
加工・組立てを受けて戻ってきます。
完成した製品は倉庫に運ばれ、
顧客に向けて出荷されていきます。
返品や回収があれば、
工場にモノが戻ってくる場合もあります。
生産管理をしている以上は、
こういった「モノの流れ」を常に捉えて意識するようにしていきましょう。
工場を動かす計画と指示と報告の流れ: 「情報の流れ」
製造業では、思いつきでものづくりが行なわれるわけではありません。
顧客が買ってくれるものを、必要な時に作ることになります。
そのためには、
製品を企画し、開発し、計画的にものづくりを行なう必要があるわけです。
計画を立て、情報を出し、
生産指示や納入指示となって
実際の生産と結びつき、「モノの流れ」と連動します。
指示どおり実行されたかどうか、
実行結果が実績として報告され、
計画と実績の差異を見て、対応が判断することも重要なため、
常に情報とモノの動きが一致している状態が理想です。
これを「情物一致」と表現することもあります。
こうした計画や指示、 報告は、ものづくりを動かすための「情報の流れ」 になります。
この情報の流れはPDCAサイクルそのものであり、情報の流れが業務の流れになります。
その善し悪しが経営 判断の品質とスピードに影響をおよぼすことを知っておきましょう。
会社経営への影響を知る流れ : 「カネの流れ」
ものづくりをしている以上、会社ですから、
当然 「カネの流れ」 が伴います。
原材料や部品を買え ば仕入代金を払いますし、
設備投資を行なったり、従業員に給与を払い、モノ が作られます。
そして、投資と費用を上回る価格で製品を売り、
現金を回収し、利益を実現し、
再び費用と投資にお金がまわされるわけです。
モノを作るということはカネを作るということ。
モノを買ったり動かしたりすることはカネをコントロールしていることだ
という意識を忘れずに持っておくべきです。
工場を動かしているのは結局「ヒトの流れ」
自動化が進んで
ロボットやAGV(自動搬送車)の普及が
進んできたとしても、工場には多くの人がかかわっています。
直接モノをつくっていないとしても、
運ぶ人、おろす人、管理する人、記録する人、など、
様々な人がモノづくりに携わっているため、
生産管理がコントロールしているのは、
無機質なモノや情報、カネだけではなく、
それにかかわるヒトのコントロールをしているということを忘れないでください。
あなたが立てた計画や指示、行動によって多くの人が動くことになるのです。
また、ヒトの流れをとらえる考え方として、3Mという表現も良く使われます。
製造業における3Mとは、M: Man: 人、Machine : 設備、 Method: 方法です。
「人」 と 「設備」はものづくりには欠かせない物理的 な 「資源」となります。
「方法」とは生産方式やノウハウです。
まとめ
工場全体を統率し、コントロールしていくためには
ヒト・モノ・カネ・情報の4つの流れを抑えるように意識していきましょう。
目の前のことや、日ごろの忙しさに追われてしまって、
つい視野が狭くなってしまうことがあります。
常に俯瞰した視点をもって業務に取り組めると良い結果につながりやすいです。
ぜひ、意識してみてください。

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